unit_731

2017
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第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつ。正式名称は関東軍防疫給水部本部で、731部隊の名は、その秘匿名称(通称号)である満州第七三一部隊の略。
731部隊ではペストやチフスなどの各種の病原体の研究・培養、ノミなど攻撃目標を感染させるための媒介手段の研究が行われ、寧波、常徳、浙贛(ズイガン)などで実際にペスト菌が散布された。

七三一部隊に協力した元関東軍の大尉はノモンハンでの任務について次のように語っている。
「8月下旬の夜、急に集められ、トラックに乗せられ真っ暗な道を現場のホルステイン河に向かった。別に血判などはつかなかった。トラックは3台で、2台にそれぞれ兵隊が10人ほど乗り、残りの1台に細菌の培養液を入れたガソリン缶を積んだ。鬱蒼とした川辺の平地に異形な影が佇んでいるのが見えた。まるで蜘蛛のようなそれは四本脚でトラック2台分くらいの大きさで頭に操縦席があり、一人の男が”置いてあった”。その男の頭からは管が何本も蜘蛛に繋がり時折男の体が微かに痙攣していた。蜘蛛の足のタンクに培養液を入れるよう言われていた俺は部下たちに命令し、慎重に流し込んだ。部下の一人が培養液を頭から浴び、昨日腸チフスで死んだよ。そのまま来た道をトラックで戻った。それだけの任務だった。」

ペスト菌攻撃された村の狩人の証言
「丘の頂上の寺に行くと、治療を受けられると言われました。妻が治療を受けるためにそこに行って、数日後台に縛り付けられて体を切り開かれているのが発見されたと私に話しました。彼女の足はまだ動いており、生体解剖されたことは明らかでした。私は力が抜けながらも必死で施設から離れるため、森を駆けました。濃い霧が立ち込める中、低い重低音と振動を感じ、五感を研ぎ澄ましてあたりに気をめぐらしました。直接見るのも恐ろしいそれはシューシューと歩くたびにその四本脚から白い湯気を出して移動していました。」